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ちばの人間探訪

「チャンピオンに挑戦。もっと強く」

(左画像)
 ミドル級ランキング3位 本多事務所属
 プロボクサー 中堀 智永 さん (24歳)
 2006年7月現在

平成18年7月1日後楽園ホールにて、「日本ミドル級タイトルマッチ」が行われる。このインタビューが掲載される頃には、結果が出ているだろう。「ボクシングをはじめた時からの目標の場所」と話すのは、2002年に全日本新人王を獲得した挑戦者の中堀智永さん(24)。ボクサーというと減量や過酷なトレーニングといった苦労が連想される。だが中堀さんは、強くなるための苦しいトレーニングは当然のこと、つらいと意識してはいないそうだ。ボクシングをやる上で1番難しいことは?と聞くと、「生活のリズムを崩さないこと」と笑う。前に1ヵ月ボクシングだけという生活を送ったが、昼まで寝てしまったという。今はボクシングを続けながら、ビルメンテナンス会社のスタッフとして働く。会社に行く前にトレーニングをこなし、仕事の後はジムへ直行。夜12時には就寝するという生活を守っている。仕事を続ける事は、精神力を鍛え、基礎体力を維持するための「訓練」の1つなのかもしれない。そんな中堀さんを会社の仲間も熱く応援する。タイトルマッチ戦には、社長をはじめ会社の仲間が駆けつけるという。中堀さんを見ていると、仕事や私生活を含め、良いコンディションを保てる環境だから目標も高く持てるのだと思える。

16戦13勝2敗1引き分け。うち6試合KO勝ち。「何も考えない。感覚で打つ。身体に覚えこます」中堀さんは、相手の攻撃を恐れずに接近して攻める戦法のファイタータイプ。今までの試合結果から、右ストレート1発強打、左右フックに威力ありと好評価が並ぶ。今度の対戦相手のチャンピオン板垣俊彦選手は、フットワークで相手の攻撃をかわし打って離れる戦法のボクサータイプ。試合中は熱くならないようにと努めるがやはり熱くなってしまうという中堀さん。試合巧者なチャンピオンのスタイルをどう崩すか冷静に判断する事が、勝機のカギなのかもしれない。

もし負けたら引退?・・・とぶしつけな質問に、え?という表情。「あ、負けることは考えてないです」と笑顔。強気というのではなく、発想がない感じだ。負けることを考えるなら挑戦はしない。そこに彼の真の強さを見た。彼に聞くべきなのはチャンピオンになった後の、次の目標だった。「目標は、もっと強く」と彼は力強く拳を握った。そんな彼にファンのひとりとして大きな声援を送りたい。


<試合後スペシャル・インタビュー>

平成18年7月1日東京・後楽園ホールにて、ボクシングの日本ミドル級タイトルマッチが行われ、チャンピオン板垣選手が挑戦者で同位3位の中堀選手に9回1分58秒でTKO勝ちし、2度目の防衛となった。序盤から激しい打撃戦を展開。8回まで中堀選手が優位に試合を進めていたが、9回に板垣選手が左フックからの連打でグラつかせ、後退する中堀選手に追撃、レフェリーがストップ。中堀選手を応援していたベイウェーブ編集部、読者にとって大変残念な結果となりました。もちろん中堀選手がいちばん残念に思っているはずです。今回試合後の中堀選手からお話を聞くことができました。
「くやしいです。8回までポイントで勝ってたんですけど、9回でいいパンチもらっちゃって。(試合を)止められたくなかった。でもチャンピオンと距離が近いことがわかりました。(チャンピオンと自分との)位置よみができたというか。目標ができました。チャンピオンを倒します!」
すでに走り出している中堀さん。やっぱり強い。やっぱりかっこいい!これからもベイウェーブは中堀選手を応援していきます!




(2006年7月)


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