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ちばの人間探訪

「画家として、描きたいものを自由に描いていきたい」

(左画像)
 画家 遠藤 鋼児さん

画家の遠藤鋼児さんは長野県出身で、現在は千葉市花見川区在住。幼い頃から絵を描くことが好きだったという遠藤さんだが、23歳のときに、絵ではなく音楽の勉強をするために渡米。当時カフェテリアで描いていた似顔絵が評判になった。その後、ドミニカ共和国に渡ったが、音楽家の道は断念し、生活のために絵を描き続けた。「貧富の差が激しく、治安も良くない状況で生活をしていたが、静物画を描いてギャラリーが買い上げてくれたので、経済的には困ることなく過ごした。最初は生活のために描いたが、そのうちに絵にのめり込むようになり、真剣に取り組みようになった」と遠藤さん。

写真(本紙掲載)に見えるような精密な静物画を描き続け、静物画家としてドミニカ共和国で約7年間過ごした。帰国後は、本格的に絵の勉強を開拓し、印象派の風景画などを独学で研究。
「風景画を描きたいと考えていたので、印象派の絵を自分なりに解釈し、光が変化する様子など光そのものの魅力を表現したいと思うようになった」と話す遠藤さん。
その後は、風景画の他にも、抽象画、肖像画など様々なジャンルの絵を描き続けた。油絵、水彩画、アクリル画など表現方法も多彩。9年ほど前に長野県内のギャラリーで初めて個展を開催して以来、都内や千葉、横浜などのギャラリーで個展を開催し、好評を得ている。今年3月には、都内の青山のギャラリーで個展を開催した。南米の情熱的な雰囲気を表現したような鮮やかな色彩の絵は、訪れた人を魅了した。また、都内で毎年開催されているジャズフェスティバルに合せて、Tシャツのデザインにジャズをイメージした絵を手がけるなど、絵と音楽との融合にも取り組んでいる。画家では“コロー”の絵が好きだと話す遠藤さんは、最近富士山の近くまでドライブをしたことで美しい富士山の絵を多く描いているという。現在、生活のために別の仕事も担いながら芸術活動を続けている遠藤さんの夢は、「画家として経済的に自立をして生きること」。

遠藤さんは「今後も様々な表現に挑戦し、内的なものや音楽的なものを描いていきたい。自分を追い込まないと満足できる絵は描けないので、自分に向き合って自問自答し、苦しみながらも思い通りの絵が描けるように努力したい。一つのものにこだわらずに、そのときそのときで自分が描きたいと思うものを自由な心で描いていきたいと思う」と語った。

(取材:豊野みち子)




(2006年6月)


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