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ちばの人間探訪

「患者さんが納得できる治療を」

(左画像)
 かとう歯科クリニック 院長 加藤 京子さん

私が子どもの頃に出会った歯医者さんは、治療中に泣いている子がいると『泣くな!』と怒鳴りながらヒステリックに怒っていた。今思えば、確かに治療中に動くと危険に違いない。でもその頃の私にとって歯医者さんは、嫌な機械の音とともに怖いものの代名詞のような存在だった。その後も、どこかそのときの恐怖がぬぐいきれない。そのため、かなり深刻な痛みになってから勇気を出して歯医者さんに行くことになるのだ。

加藤さんは、私が持つ歯科医のイメージをことごとく覆す。女医であるということもそうだが、なによりもまっすぐに私の目を見つめながら、おっとりとしたやさしい口調で話されることだ。その気取らない言葉のひとつひとつに誠実さを感じる。ご自身が虫歯で痛い思いをした経験から歯科医になった加藤さん。だからこそ患者の痛みや気持ちがわかるのだろう。休日は、ピアノを弾いていることも多いという。よくよく伺うと加藤さんはピアノ、ご主人(同じく歯科医)はトロンボーンを演奏されるそうだ。時間を作っては、市内のあちこちのホールでも演奏会をするというので驚いた。先生の和やかなやさしさは、そんなところからも培われているのかもしれない。気さくで飾らない人柄に、また人間としての奥の深さに、話していると楽しくて時を忘れてしまう。

日本の虫歯人口は年々減少の傾向にあるらしい。学校での歯科検診などが功を奏しているのが理由だろうと加藤さん。だが深刻なのは、大人の虫歯。歯科検診のある企業もわずかにあるらしいが、主婦になると歯科検診とは無縁になりがちなのも原因のひとつと言われたのにはドキッとした。確かにそうだ。大人になると痛みがない限り歯科に行かないのは私だけではないだろう。しかし虫歯が死を招く病気をもたらすこともあると知り、大人になってからも検診の大切さを再認識した。

加藤さんの治療におけるコンセプトは、『患者さんが納得できる治療を』だそうだ。歯の状況をわかりやすく説明し、質問にも丁寧に答え、不安や疑問がなくなるように何度でも話をするそうだ。加藤さんは、そんなことをさらりとおっしゃるが、歯科医に限らず「よくわからないが、これ以上聞けない」と思ってしまうドクターもまだまだ多い。「おまかせします」の一方的な治療ではなく、原因が何かという共通理解を持っていっしょに退治するイメージだ。まさに患者に安心と信頼を与えられる加藤さんならではの治療法と言える。信頼して疑問や不安も話せて、しかも通うのが楽しいと思える加藤さんのような歯科医が益々増えてほしいと願っている。



*DATA*

かとう歯科クリニック
 千葉市稲毛区稲毛東3−4−11 グレース稲毛
 診療時間 10:00〜13:00 15:00〜20:00(土曜は18:30まで)
 休診日 木曜・日曜・祝日


(2006年2月)


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