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ちばの人間探訪

「いつの時代にも不偏的なもの」

(左画像)
 美浜区打瀬分館図書館員 山田 吟子さん

読み聞かせ歴25年。千葉市美浜区打瀬分館図書館員の山田吟子さんにお話を伺いました。

読み聞かせを始めたきっかけは?―

図書館に就職して、たまたま「児童(担当)をやって」って言われたからです(笑)。配属になった花見川図書館(当時こてはし図書館)では、毎週「おはなし会」をやっていましたから、勉強会に行ったり、先輩から教えていただいて初めて知りました。



大変だったことは?―

子供たちは本の題名ではなく、お話のストーリーを覚えていますので、「こんな本ありませんか?」と言われても最初は「うーん?」となってしまいました。でも十年以上図書館員をされている先輩は「これですね」と本棚から出してくるんです。「なんで!」と思いました。

すごいですね。―

本の出版部数は多いですが、子供たちが「面白い」という本には、子供たちが生きようとする喜びが組み込まれていて、いつの時代にも普遍的なものなので、おのずと絞られていくんです。子供を知る、子供の本を知る、子供に本を手渡す術を知る。この三つのバランスがとても大事だと勉強しました。

その美しい声の秘訣は?―

特に何も。地声です。でも、小さい頃、実家の裏にお医者さんがいて、そこのおじいちゃん先生に「お前は、声の仕事をしたほうがいい」って言われたことは、とても記憶に残っています。
読み聞かせなら、本の世界を自分の中で思い描いて伝えたいという意思を持って、楽で自然な声が出たとき、つまり心と体が一緒になったときに自分の持っている一番いい声になると思います。

最後に、家庭で読み聞かせをする際のアドバイスをお願いします。―

おうちでは、お子さんを自分の両脇かひざに乗せて、同じ目線で絵本を眺めてあげてください。肌と肌を触れ合わせてあげると、怖いお話でも落ち着いて聞けるので。
人と肌を触れているという安心感は、この本を読んだときに思い出されるものです。本の内容よりも、肌の温かさ、におい、空気を思い出す。それは、親の愛情を感じる一つになったり、大きくなって辛い場面にあっても、その人を支えられるものだったりするんですよね。それは宝物になると思います。



*DATA*

※おはなし会は、千葉市にある13の図書館で行われています。詳しくは、お近くの図書館へ。
 千葉市図書館 http://www.library.city.chiba.jp/


(2008年4月)


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