BayWaveトップ > レポート > ミュージアム > 千葉市美術館「唐画もん―武禅にろう苑、若冲も」(ミュージアム:千葉市中央区)
千葉のレポート
9月8日、「唐画もん―武禅にろう苑、若冲も」展が千葉市美術館で始まり、記者レクチャーに参加してきました。
唐画もんとは、中国風の絵を指す「唐画」にもんをつけた今回の展示の造語だそうで、江戸時代中期に当時の大坂で活躍した絵師、墨江武禅と林ろう苑に注目し、ふたりの作品を中心に大阪画壇の魅力を発見できる展示となっています。
展示会場は、以下の5章立て154点の展示(前期115点・後期112点)です。
第1章 武禅の師友
第2章 墨江武禅
第3章 ろう苑の師友
第4章 林ろう苑
第5章 上方絵師百花繚乱
墨江武禅は、山や川の美しさを描く山水画が得意だったそうです。
「青緑山水渓流游回図」は、緑の山に鮮明な青色が美しい作品でした。
船頭の親方だったからでしょうか舟が描かれているものが多く、「月夜江村図」はシルエットですが舟や舟にのっている人が細かく書かれており見とれてしまいます。
「山水図」では手前の建物の明かりと奥に見える窓の明るさを表現されていますが、江戸中期の作品としては珍しいそうです。
林ろう苑は、風景、人物や花鳥図、動物の絵も得意だったそうです。
墨だけでダイナミックに描いた作品や、色鮮やかに細かく描いた作品もあり、また構図がおもしろくユーモラスな作品もありました。
「蹴鞠図」の前では思わず、笑みがこぼれてしまいました。
「大鷲図」と「睡起未顔粧之図」が並んで展示されているのですが、作風の違いが確かめられて面白いです。
そして上方絵師百花繚乱の展示会場に行くと圧巻です。
入口入って右に、黒地の魅力ある作品、伊藤若冲の版画絵巻「乗興舟」の後半が展示されています。会場奥には迫力のある「象鯨図」、会場中央を斜めに「地獄図巻」が全て展示されています。「地獄図巻」は生前の職業により地獄ではこうなるといった戯画です。大阪らしいとてもユーモラスな作品です。
じっくりたっぷり大阪画壇に触れた後には、
そのまま同時開催の「田中一村と東山魁夷 ―千葉ゆかりの画家たち、それぞれの道― 」へ向かいます。
何度か鑑賞されている方も多いと思いますが、この流れでみるとまた新しい魅力を感じるような気がします。
田中一村の「アダンの海辺」をゆっくり見れるようなレイアウトがされていたので、座ってじっくりと鑑賞することができました。
千葉ゆかりの画家ファンの皆様も、初のお目見えとなる墨江武禅と林ろう苑を見てみたいという方も楽しめる展示です。
写真撮影スポットも2箇所用意されていましたので、記念撮影もぜひ。
展示詳細は
http://www.baywave.co.jp/modules/event1/?smode=Monthly&action=View&event_id=0000001668
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