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千葉のレポート

千葉市美術館「初期浮世絵展 −版の力・筆の力−」

2016-01-13

1月9日、「初期浮世絵展 −版の力・筆の力−」が千葉市美術館で始まり、オープニングレセプション、記者レクチャーに参加してきました。

今回の展示は「大英博物館、シカゴ美術館、ホノルル美術館など海外から貴重な浮世絵が里帰りする、日本初の初期浮世絵展」で195点の展示のうち海外から73点里帰りしています。歌麿や広重など作品ではなくその前の時代の作品がここまで揃うのはめずらしいそうです。

展示会場は、以下の5セクションに分けられ、浮世絵の生まれをわかりやすく紐解いていく構成となっています。
・浮世の楽しみ −近世初期風俗画
・菱川師宣と浮世絵の誕生 −江戸自慢の時代
・荒事の躍動と継承 −初期鳥居派の活躍
・床の間のヴィーナス −懐月堂派と立美人図
・浮世絵界のトリックスター −奥村政信の発信力
・紅色のロマンス −紅摺絵から錦絵へ


千葉県保田(現千葉県鋸南町)出身の菱川師宣の作品が数々展示され、この展示をみて改めて浮世絵の始祖と位置づけられることを再認識でき、同時に浮世絵の誕生の過程がみてとれます。

また、初代鳥居清倍の「初代市川団蔵と初代大谷広次の草摺曳」と「初代市川団蔵と初代大谷広次の草摺曳/梅花美人の版木」は、昭和39年(1964)の東京オリンピックの時に開催された「浮世絵・風俗画名作展」に並べて出品されて以来、約半世紀ぶりの再会展示されています。

初期の浮世絵はとても素朴な感じで、タイトルにあるように筆の力を強く感じます。墨摺りの色もなんとも言えない風合いで、そこに紅摺りが加わったやさしい色合いも美しいです。

今回の展示では、地元の千葉虎屋さんとコラボしたどら焼きも販売されています。
パッケージに初代鳥居清倍「二代目市川団十郎の虎退治」が施され、お土産としても最適です。食べる瞬間にも展示を思い出したりしちゃいます。
そして、今回の図録もとても見ごたえありでおすすめです。


初期浮世絵展 −版の力・筆の力−
http://www.baywave.co.jp/modules/event1/?smode=Monthly&action=View&event_id=1717




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