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千葉のレポート

春を代表するクラゲ「ドフラインクラゲ」を展示開始

2016-03-30
ドフラインクラゲ

ドフラインクラゲ

鴨川シーワールドでは、エコアクアローム内 クラゲライフで「ドフラインクラゲ」の展示を開始いたしました。

春を代表するクラゲのひとつである「ドフラインクラゲ」は、東京での桜の開花宣言が出た後の3月23日に千葉県富津市の漁港で採集されました。現在当館で展示中の「カミクラゲ」に姿が似ていますが、傘の中にある生殖腺が十字型をしているのが特徴で、傘の直径が3センチほどの小型のクラゲです。

名前の由来となっているのは、このクラゲを発見したドイツの動物学者フランツ・ドフライン(Franz Theodor Doflein)博士で、博士は1904(明治37)年~1905(明治38)年にかけて日本や中国を旅しながら調査を行い、1904年9月から約2ヶ月間、三崎の臨海実験所に滞在し、相模湾での生物調査を実施しました。その際に発見し、ドイツに持ち帰った標本のひとつが「ドフラインクラゲ」です。

同様にドフラインの名前を冠した「ドフラインイソギンチャク」は、昨年12月に千葉県立中央博物館の研究員らによって『110年ぶりに東京湾で再発見された』ことが報道され大きな話題となりました。「ドフラインイソギンチャク」は当時の調査でドフライン博士が標本を持ち帰って以降、日本で発見された記録がなく、当館では2012年の冬に東京湾の水深200mの海底に仕掛けられた刺し網にかかったものを搬入し、種不明のイソギンチャクとして鴨川海底谷の深海水槽で展示をしていましたが、このたび「ドフラインイソギンチャク」としてあらためてお客様に紹介をしています。

現在、鴨川シーワールドでは「ドフラインクラゲ」と「ドフラインイソギンチャク」の両方をエコアクアローム内で見ることができます。はからずも4月はドフライン博士の誕生月でもあり、博士にまつわるクラゲやイソギンチャクを観察しながら、110年前の往時に思いを馳せてはいかがでしょうか。


【「ドフラインクラゲ」について】
英名:Hydrozoan jellyfish
学名:Nemopsis dofleini
傘の直径が3㎝ほどの小型のクラゲ。当館に展示中の「カミクラゲ」に似ているが、傘の上側から見ると生殖腺が十字型をしており、触手が4ヶ所から出ているのが特徴である。北海道から四国沿岸に分布し、春頃に姿を現す。

【「ドフラインイソギンチャク」について】
英名:Sea anemone
学名:Exocoelactis actinostoloides
直径20㎝ほどのイソギンチャク。1904年に相模湾で採集され、4年後に新種として認められたが、それ以降2015年まで110年にわたり日本での発見報告例がなかった。当館では2012年の冬に、東京湾の水深200mの海底に仕掛けられた刺し網にかかったものを搬入し、種不明のイソギンチャクとして、エコアクアローム内「鴨川海底谷」に展示していたが、昨年12月の千葉県立中央博物館の発見報告をうけて現在は「ドフラインイソギンチャク」として公開中。

【ドフライン博士について】
フランツ・ドフライン (Franz Theodor Doflein,1873-1924) 
ドイツの動物学者。1904年~1905年にかけて中国・日本・スリランカを訪問し「東亜紀行」を著す。1904(明治37)年9月4日から約2ヶ月間、三崎の臨海実験所に滞在し、相模湾の深海生物等の調査研究を実施し、莫大な数の魚類や無脊椎動物の標本を採集し、ドイツに持ち帰った。



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鴨川シーワールド様より届きました。
「ドフラインクラゲ」と「ドフラインイソギンチャク」両方ともじっくり観察してみたいですね。


ドフラインイソギンチャク

ドフラインイソギンチャク


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